スライダーズをあらためて聴くシリーズ 「SCREW DRIVER」 

The Street Sliders

「天使たち」「BAD INFLUENCE」、そしてこの「SCREW DRIVER」でスライダーズが完成されたのでは?と思わせる時代の作品です。

個人的にスライダーズの1枚と言われればこのアルバムを上げます。

1989.1.21リリース。このアルバムがおそらく最後のアナログ盤でのリリースだったと思う。

この作品からレコードをレンタルしていたのがCDに変わっていった。相変わらずカセットにダビングして聴いてたけどね。1年に1枚のペースで発売されていたのも、次回作辺りからリリースのペースが落ちていきます。

 

  1. 風の街に生まれ
  2. Oh!神様
  3. かえりみちのBlue
  4. Baby, Don’t Worry
  5. Hey, Mama
  6. Yooo!
  7. おかかえ運転手にはなりたくない
  8. Rock On
  9. ありったけのコイン
  10. いいことないかな

 

バンドとしての戦略的にも「夜のヒットスタジオ」に出演したり、雑誌の表紙など露出がうんと上がっていきました。「夜ヒット」では「Baby, Don’t Worry」を演ってたっけなあ。懐かしいです。

もう今やテレビの前でワクワクするミュージシャンなんて、いないような気がします。

 

「SCREW DRIVER」はアルバムの流れが秀逸です。この曲順、構成、どう考えたのかは分かんないけれど、まだレコード時代、A面とB面を考えた作品で、これ以降の作品ではこの概念はなくなります。

CD時代は通して聴くことが前提ですもんね。

冒頭にも書いていますが、まだまだカセットテープにダビングして聴いていた時代。

46分テープで収まるようになっていたんですよね。

スライダーズはこのアルバムまでは46分テープでいけていました。

次作から50分を超すようになっていきました。これは1曲あたりの時間が長くなってきた証拠です。

アレンジも複雑になってきただろうし、やはり時代のムードなんでしょうか?

 

 

ロックな彼らですが、このアルバムではきっちりとブルージーな作品を散りばめています。

「かえりみちのBlue」「おかかえ運転手にはなりたくない」「ありったけのコイン」

この3曲はこのアルバムを象徴する作品です。もうブルースをここまで完璧に演れるようになったんやなと。

もちろん初期作でも「のら犬にさえなれない」「道化者のゆううつ」なんてあったんだけど、更に上回る作品をアルバム内の収録する事になります。

 

このアルバムを代表する1曲。

 

「ありったけのコイン」

 

こんなに切なくて、情景がはっきりと目に浮かぶ作品はない。

ハリーの世界観では多く登場する刹那いシーンです。

 

ダメな男がなけなしのお金で夢を見る。

スライダーズらしい、Aメロで始まり難しいコードじゃない展開なんだけれど、これまでに深くて優しい曲はない。

もうね、聴けば聴くほど泣けちゃいます。10代だった自分はこの曲を聴いても泣かなかったけど、50代になって聴くと涙腺が崩壊ソングですよ。

ハリーはソロでもこの曲を演ってくれて、それこそギター1本でやる姿は熟練を更に増して深すぎて深すぎて…

 

ハリーの作る歌詞は一つ一つにストーリーがあって情景が頭に浮かぶものが多いです。

目を閉じて聴くと、自分自身の生活とダブらせて情景を重ねて行きます。

こんなロックバンドいないやろ!って思わせる事がしばしばあります。

スライダーズのファンは、当然その楽曲のノリノリ感を楽しんでいる方が多いと思います。

しかし、その歌詞の世界観を聴くと…

もう詩人ですよね。凄すぎる描写力。頭の中に情景が浮かんできて、今の自分の生活に当てはめて聴いてしまいます。

個人的に「のら犬にさえなれない」「ありったけのコイン」の2曲はコイン繋がりで立て続けに聴くことが多いです。

 

あらためて聴いて本当に傑作だと思います。

スライダーズファンの中で、このアルバムがどんな位置付けかは分かりません。

聴いた年齢、時代、環境によって感じ方は変わってきますよね。

自分は高校3年生。一番多感でなんでも吸収したがる年齢でした。

 

しかし、この作品以降はスライダーズと自分に距離が出はじめてきました。

今まではアルバムをリリースしたらすぐに聴いていたのが、少し遅れて聴くようになってきたんです。

他のミュージシャンが好きになったのもあるけれど、どういう心境の変化があったかは忘れました。

いや、やはりリリースのペースも落ちていったし、作品の内容が重くなってきているんですよね。

彼らもアルバム製作より、ライブを重点にしていた時もありました。

活動自体を休止していた時代もありました。

ひょっとしたらファンも入れ替わっていたかも知れません。

私はチャボさんが好きだったので、麗蘭にハマっていきました。

 

そう思うとスライダーズ自身も、このアルバムを境に気持ちの変化もあったかも知れません。

そう考えながらアルバムを聴いていくと更に深く考えながら聴くことができます。

残り3作品も色々考えながら聴いてみます。

一つだけ言えるのは、スライダーズに駄作はないこと。

これはファンだからじゃなくて、冷静に聴いてもそう感じます。

デビュー作からある程度完成されていたし、やはり彼らは天才だったと思います。

 

 

 

 

 

 

ひろさん

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