高校2年生の2月頃か。
ずっと洋楽にハマっていてギターを何とか入手すべく悶々としていた。
とにかく格好いい。
欲しい。
親に買ってもらうという発想は一切なかったな。
自分の力で手に入れるんだと。
高校2年生の冬休みに年賀状のアルバイトをした。
初アルバイトだった。当時、郵便局のアルバイトは学校側も認めていたので堂々とバイトする事ができた。
さすがに時給なんて忘れたけど、とにかく2週間ぐらい働いて5万円を稼いだ。
嬉しかったなあ。もう憧れのギターを買ったると!
その頃なんとなくでしかギターの種類なんか知らんかった。
フェンダーとかギブソンとか、ストラト、レスポールなんて知らんかったと思う。
自転車で行ける距離の楽器屋さんへ飛び込んだ。
「初めてなんですけど、エレキギターが欲しいんです。」
店員さんが「初心者ならこれかな」と渡されたのが、ストラトキャスターだった。スクワイアーと書かれ「fender」の文字があった。
made in japan 日本製なんで問題ないやろな。そんな感じやった。
価格は35000円ぐらい。これに小さいアンプが10,000円ほどで、ギターケースと込みで総額50,000円以内に納まった。
店員さんは初心者が習わずに弾けるかな?といったニュアンスを言われたけど、何とかなるんやろって感じでそのまま帰宅した。
もう35年前の話だ。今でもはっきり覚えている。青春時代だ。
帰宅して母は笑ってみてくれた。
父が仕事から帰ってきてギター買った事を告げると、「何で買ってきてん!どうせ弾けへんやろ!」って感じで突き返された。
この一言が割とショックで、ギターを自宅で堂々と弾かなくなった。
バイトして稼いで買ったものを否定されたのがショックだった。
ギターは部屋の中でひっそり隠れるように仕舞い込んだ。
たまに出してきて、ギターを持った姿を鏡でみて恰好を付ける程度。弾くまでにはいかなかった。
1988年の冬。
2019年春
31年の歳月が流れていた。
母の介護がひと段落して、週末に余裕が出てきた。
子供も年長さんになっていて楽器でも弾いてくれたらなあ。なんて感じだった。
そういえば実家にギターがあったよな。
どうなってんかな。
実家に帰るとギターはあった。
ケースに仕舞い込んでいたから綺麗な状態だった。
当然の事ながら全く弾けない。
とりあえず持って帰った。
素人目では傷もないし綺麗な状態ではあるけど、多分ネックは反っているやろなと。
このままの状態では弾けないしメンテナンスに出そうと。
ネットで色々検索していると、個人のお店でメンテナンスしてくれそうな店を発見。
おまけにギター教室もやってるやん。
んんんんん?2時間×5回=1万円か。
安いな。
早速電話しアポを取って飛び込んだ。
職人さんぽい人が出てきて、ギターを観察し分解し始めた。
「ネックは著しく反っていますか?」
「はい。著しく反っています。けど直りますよ。」
「このギター1988年製の日本製です。当時、フジゲン楽器がフェンダーの日本製を作っていたんですが、初心者モデルとしてスクワイアという別ブランドを出していたんですよ。」
「それがこのギターでフェンダーと名乗っても遜色のないモデルです。日本製なので作りはしっかりしています。」
もうほんと、修理に持ってきて良かった!
このお店の店主さん、心底ギターが好きなひと。
「こちらでは教習もされているんですよね?教えて欲しいんですが」
「どうぞ、どうぞ」
という訳で、もう通いはじめて4年になります。
やはり習うのは近道です。
簡単なコードは弾けるようになりました。
今はブルースぽいものをやってます。
師匠(店主さん)がブルース出身。
今でも月に1回ぐらい通っております。
行けるときはいく。行けないときは間が空くけど、このギターは生涯続けていきたい趣味なのである。
格好よくロックンロールがしたいなあ(笑)
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