あまりミュージシャン系の映画を鑑賞しないんだけれど、劇場が「IMAX」という豪華な仕様で一度体験してみたいと言う事もあり行ってきました。
最近では布袋寅泰やビートルズの映画もIMAXでやっていたんだけれど、上映時間が90分もなかったこと、IMAXは通常価格より別途500円増しとかになるのに、この短さはどうなん?ていうドケチな感情が芽生えて行くのに躊躇っておりました。
ですがボウイは2時間15分の上映時間!たっぷり味わえるやん!けれど内容が外れた場合は長い上映時間が仇となるんだけれど(笑)
ま、兎に角なんでも体験だと、IMAXを楽しもうじゃないかと、行ってまいりました。
ちなみにIMAXとは通常のスクリーンよりデカく音響も最高の空間でできているらしい。ミュージシャン系の映画にはもってこいな仕様です。
そして作品です。
冒頭から嫌な予感がありましたが、複雑な映像とボウイの言葉が全編に繰り広げられます。
ボウイの言葉は複雑で、その言葉が2時間15分に渡り映像と共に映し出されます。
ボウイのファンとしてはその言葉の意味を一つ一つ噛み締めたいんですが、複雑な映像のスピードの速さも相まってゆっくりとその言葉を噛み締めさせない仕様になっています…。ここで集中できない人は脱落していくと思います。お隣さんは寝初めてきました(笑)
IMAXという最高の場所での体験なので、もう音響は最高でした!
この環境でライブビデオをフルで鑑賞したら最高ですよ!この作品ではフルでライブを観せないのですが、たとえ数分でもこの映像と音響を聴くと感動的な迫力のあるサウンドを聴かせてもらえます。
しかし!
映像部分で言えば仕方がないのですが、70年代の映像が多数あり、いかんせん古い。
IMAXの超フルサイズのスクリーンなのに4対3の画像が所々映し出されてきます。
これは仕方がないのかもしれないけれど、何か観ていたら白けてしまうというかフルの高画質の映像を期待してしまうのですよね…
作品の構成はジギー・スターダストのライブから始まって行きます。そこから年を追って晩年までを映し出す構成になっています。
しかし、ちょっと前半部分の退屈感は否めなかったなあ〜。
ジギー時代のライブと現代アートをミックスした感じに違和感があったかなあ。テンポよく変わる映像は飽きさせないようにしているんだけれど、ちょっと前衛的に振りすぎていて付いていける人といけない人にふるいをかけている印象を与えました。
この映画をボウイを全く知らない人を連れて行ったら完璧に寝てしまうか、退屈で劇場を出てしまいたくなると思います。
私はボウイのアルバムは全部聴いてきているし、ある程度の歩みも理解しているので映画の内容、いわゆるボウイの歴史についていけるんですが、この映画を観てボウイのアルバムを一から聴いて見ようとなるか?そこは「はてなマーク」が付きますね。
前評判は良かったので期待していましたが、この作品をブルーレイが出たら買うか?
買わないけれど、もう1度あらためて観たい衝動があるのが不思議なんですが、そんな作品なんですよ。
決して傑作の部類の作品じゃないです。WOWOWやNHKでやっていたボウイの特集の方がよっぽど観やすいです(笑)
しかし映画作品という事もあり、芸術的に前衛的に作り込まれているので作品としての質は高いと思います。
けれどあくまで、ボウイの過去作からしっかりフォローしているファン向けの作品、所謂マニア向けな感じが少し残念かなあと。
この作品で新規のファンを獲得するには難しいです。寝ちゃいますし、「ボウイって複雑でよくわかんない…」てなると思います。特に言葉がダイレクトに伝わらない日本人なら尚更です。
ほんとうはボウイ自体の作品はポップでロックで聴きやすい作品が多いと思います。ベスト盤から聴いて雰囲気を掴み、オリジナル作品を順を追って聴くのが一番です。
1970年代前半と1980年代の作品を聴くと、あまりの変化の違いに戸惑うと思います。
これが同じアーティストの作品なのか!ってなります。
まさにそれがDavid Bowieの真骨頂なんですよ。常に変化し続けてきたアーティストの作品は順を追って聴くのが正解だと思います。
今回の映画。楽しませてもらいました。
けどちょっと複雑でしたよね。もう1回観たいけれど、やはり解説書は必須だと思います。
パンフレットがあればなあというのが感想です。
パンフがあれば、映画を観た後でも理解が深められたと思うんですよね。
たとえ3000円ぐらいしても、詳細な解説文をパンフに収めればこの作品が映像とサントラと書物で完成されるんじゃないかと思います。
その辺りが少し残念な作品だったと思います。
けどな〜。ブルーレイが後からリリースされるのかなあ?
未公開映像をプラスしてだけじゃなくて、やはりじっくり読ますものを付けた方がいいっすね。
この作品は何度も言いますが、完全に熱烈なファン向け、過去作も理解しているファン向けの作品です。
少しハードルの高い作品なので、上演後の展開もそれらのファン層をフォローしたものを追加販売して欲しいかなあ。
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