ほんと、今年はスライダーズが復活したこともあり、それらの関連作品を聴きあさっていた状態が5月まで続いていました。
まさかの大復活でしたからね。盛り上がるに決まっています。そんな盛り上がりの中でリリースされたのがトリビュート盤でした。
その中でも最高傑作な楽曲がエレカシの「のら犬にさえなれない」でした。
完璧にオリジナルを踏襲した作品です。エレカシ調はあまりない?かもな作品。
あ、宮本が唄うんで、これだけでエレカシなんですが、アレンジなどは完璧にオリジナル重視でした。
完コピって奴ですね。
このトリビュート盤自体が割と演者側が奇抜に料理した作品が多くて、それはそれで演者側の作品としての個性が出ていいんだけど、エレカシがアルバムのトリを取るこの「のら犬にさせなれない」は別格の風情があります。
風格と言ってもいいかも。
聴いていて泣ける作品は数年に一度しかないけれど、この作品は何度も何度も聴いてきたので歌詞のストーリーは理解しているんだけれど、あらためて聴くと泣けてしまう作品に仕上がっていました。
不覚ですよね(笑)
泣かせんなよ‥‥
宮本は至ってシンプルに唄っています。そう、何というかここ最近の宮本の歌唱法なのかもですが、すごく優しく唄うんですよ。イキるとか情念たっぷりとか、激しくとか様々な表現で唄えるヴォーカリストなんですが、もう淡々と唄っているんです。
これが凄くこの楽曲の良さを引き出していて、あらためて「のら犬にさせなれない」の良さを再確認できた作品に仕上げていました。もう最高ですね。
なんというか、ちょっと弱っている今の自分の精神状態にこの曲が流れてくると、もう涙腺が崩壊してしまっていました。
エレカシの活動を完璧に追いかけているぐらいな、熱心なファンではないんだけれど、当然デビュー当時のインパクトは鮮明に覚えています。
自分がロッキングオン読者という事もあるし、当時は、RCサクセション、ストリート・スライダーズ、そしてエレカシは同じ路線で語られていました。
RCは途中で崩壊し、スライダーズも2000年初頭で終焉を迎えました。
エレカシも相当に厳しい時期もあったけれど、見事に復活し今に至ります。
もうデカいホールでやっても満員にできるビッグバンドですよ。
曲がいいとか、演奏が素晴らしいとか、そんな音楽性だけでは生き残れない業界だと思うんですが、そういった所を超越したし、よくここまで生き残れたなとさえ思います。
彼らも多作なバンドではないし、宮本もソロで演りたい願望もあるようで、2018年リリースの「Wake Up」以降はアルバムを出していません。
といってもライブはしっかりやるし、遠ざっている印象はないんですよね。
ぼちぼちエレカシ単体の作品を聴いて観たいというファンも多いのでは?
この「Wake Up」に挿入されている「風と共に」
この曲をSNSで聴いた時の衝撃は忘れないな。
もう涙腺崩壊ソングやん!って感じで号泣してしまいました。
この楽曲もイキったり、感情を剥き出し系の曲じゃない。
ほんとうに優しく唄う。
そして歌詞の情景が頭に描かれる。
もう人生の支えになるような曲です。
今回、スライダーズの「のら犬にさせなれない」と「風と共に」ががっちり合わさって、自分のこれから生きていく中でも、おそらく聴き続けていく曲に巡り会えたと思います。
行き先は自由。
胸には自由を抱き締めて。
行こう!チケットなんか要らない!
行き先は自由、私の未来に幸多かれ。
この言葉を抱き締めて出かけていきたいです。
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